ばね指とは?

指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。手を握るなどの強い力を発揮する筋肉は前腕にあり、その力を腱が指先まで伝えています。その通り道で、指を曲げる屈筋腱が浮き上がらないように押さえているのが、靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)と呼ばれる組織です。この構造は、ちょうどベルトとベルト通しの関係に似ています。

この靱帯性腱鞘は指の部分にありますが、それが終わる指の付け根付近は力がかかりやすく、炎症を生じやすい箇所です。その部分の腱や腱鞘が炎症を起こすと“腱鞘炎”となり、さらに進行すると引っかかりが生じて、ばねのような現象が起こります。これが“ばね指”と呼ばれる状態です。

ばね指の根本原因は?

ばね指の根本的な原因は、手や指を仕事や日常生活で使いすぎることによって生じるとされています。また、更年期の女性に多く見られ、妊娠や出産期の女性にも生じやすい傾向があります。さらに、手の使いすぎやスポーツ、指をよく使う仕事をされている方にも多く見られるのが特徴です。

糖尿病やリウマチ、透析を受けている方にもよく発生するといわれています。発症しやすい指としては、母指(親指)や中指が多く、環指、小指、示指にもみられることがあります。

指の使いすぎによる負荷によって、動かすたびに摩擦が生じ、それにより炎症が進行します。その結果、腱鞘が肥厚したり、腱が肥大したりして通過障害が起こり、症状がさらに悪化することがあります。

具体的な例としては、キーボードやマウスの操作、ゴルフやテニスなどの手を使うスポーツ、ピアノなどの楽器演奏、洗い物などの家事が挙げられます。

こんなお悩みはありませんか?

ばね指_イメージ1

指が曲がったまま動かなくなり、腱の硬さが進行することで慢性的な状態になることがあります。
冷やすことで、痛みや動かしにくさが増す場合があります。
指を曲げて伸ばす際に「カクッ」とした引っかかりや、ばねのように弾くような動きがみられることがあります。
初期症状として、MP関節の掌側やPIP関節の甲側に痛みが生じ、指を十分に伸ばすことが困難になります。
症状が悪化すると、指が曲がったまま伸びなくなったり、伸びきったまま曲がらなくなることがあります(キャッチング現象)。
経過が長引くと、隣の指にまで影響が及び、動かしにくくなることがあります。

ばね指に対する当院の考え

ばね指_イメージ2

ばね指の原因のほとんどは腱鞘や腱に異常が見られるため、施術対象となります。患部に炎症が見られる場合は、まず整形外科での受診を勧め、炎症を抑えることを第一優先に考えます。また、稀に骨変形を併発している場合は当院での施術対象外となりますので、骨変形があるかどうかの判断をするためにも整形外科への受診を勧めます。
炎症所見や骨変形が見られない場合のばね指は、当院での施術対象となります。腱の癒着や硬さを取り除くための施術として、手技施術や鍼施術が症状の軽減につながります。また、鍼施術が受けられない場合は、電気施術でも症状軽減が期待できます。

ばね指はなぜ起こるのか?

ばね指_イメージ3

ばね指は、日常生活で頻繁に手を使い、手関節や指関節に負担がかかり続けることで発症します。特に、家事や育児、キーボード・マウスの操作、ゴルフ・テニスなどの手を使うスポーツ、ピアノなどの楽器演奏がきっかけとなる場合が多いです。これらの動作が指関節や手関節の腱と腱鞘を擦れさせ、摩擦することで炎症が起こります。放置しておくと、炎症は自然に治まることは少なく、慢性化した場合には腱の癒着が発生し、指関節の屈曲や伸展動作がスムーズにできなくなります。その結果、日常生活に大きな支障をきたすことになります。普段から違和感や小さな痛みを放置せず、早期に施術を受けることで、悪化を防ぐことができます。

ばね指を放っておくとどうなるのか?

ばね指_イメージ4

ばね指の状態が長く続くと、指の第2関節(PIP関節)が硬くなり、他の指の動きにも影響が出て、握り込みができなくなり、握力も低下します。また、PIP関節に変形を引き起こす可能性もあり、手術を行っても十分には改善しないこともあります。さらに、腱同士や腱鞘が擦れることで炎症所見が見られる場合は、自発痛が出るため、日常生活に大きな支障をきたすことになりますので、できるだけ放置は避けたいです。慢性化が進行すると、へバーデン結節やドケルバン病など、骨変形の状態も併発することがありますので、ばね指になった場合は、できるだけ早く施術を受けることをお勧めします。

ばね指に効果的な当院の施術メニューは?

ばね指_イメージ5

基本的に施術対象となる症状は、炎症がなく骨変形がない場合のばね指です。つまり、手関節や指関節のオーバーユースによる腱の痛み、腱鞘の痛みや癒着を当院では軽減することが期待できます。腱や腱鞘の癒着や硬さを取り除くために最適な施術は、手技施術や鍼施術です。硬くなってしまった腱をピンポイントでほぐし、血行を良くすることで腱にできた傷を早く治すことが期待できます。また、鍼施術が苦手な患者様で腱の癒着がある場合は、電気治療でも痛みの軽減が期待できます。痛みの範囲が広い場合は、保険内診療の手技施術だけでは施術が難しい場合があるため、その際は「手の極み」をおすすめします。

その施術を受けるとどう楽になるの?

ばね指_イメージ6

腱や腱鞘の癒着や硬さを取り除くために最適な施術は、手技施術や鍼施術です。硬くなってしまった腱をピンポイントでほぐし、血行を良くすることで腱にできた傷を早く治すことが期待できます。また、鍼施術が苦手な患者様で腱の癒着がある場合は、電気治療でも腱部分を他動的に動かすことができるため、痛みの軽減が期待できます。痛みの範囲が広い場合は、保険内診療の手技施術だけでは施術が難しい場合があるため、その際は「手の極み」をおすすめします。また、手関節や指関節のアライメント不良の場合には、関節調整を行うことで痛みの軽減が期待できます。

ばね指を軽減するために必要な施術頻度は?

ばね指_イメージ7

症状の出ている範囲の広さや強さにもよりますが、痛みがひどく生活に支障をきたしている場合、施術頻度はできる限り毎日通院していただく必要があります。症状の強さが軽減し、痛みが取れた段階では通院頻度を下げても問題はありません。しかし、痛みがなくとも関節可動域制限や指関節の屈伸動作が困難な場合は、早期に施術を繰り返し、できる限り通院していただき、腱鞘の癒着を取り除く必要があります。