オスグッド


こんなお悩みはありませんか?
膝の前側が腫れて、見た目に隆起しているように感じる
ジャンプやランニング、しゃがむ動作をすると膝が痛む
運動中は平気でも、運動後に膝に強い痛みが出る
膝の下あたりを押すと痛みがある(圧痛がある)
体育の授業や部活動のあとに、膝の痛みを訴えることがある
成長期のお子さんが「膝が痛い」と言って、運動を嫌がるようになった
オスグッドについて知っておくべきこと
上記のように、さまざまな症状が現れるオスグッド・シュラッター病ですが、膝を伸ばしたり曲げたりする際に、片膝だけでなく両膝に症状が出ることもあります。
特に起こりやすいのは、成長期特有の症状と言われており、成長期の子どもに多く見られます。そのため、大人になってから急に同様の症状が現れたという場合には、今回ご紹介している内容とは異なり、「変形性膝関節症」などの別の症状が考えられる可能性が高いとされています。
このように、成長期における膝の痛みであれば、今回ご紹介しているオスグッド・シュラッター病に該当することが多いという認識を持っていただけると幸いです。
そのうえで、今後どのような症状が出てくる可能性があるのか、またどのような施術や対処法が考えられるのかについて、引き続きご案内してまいります。
症状の現れ方は?
オスグッド・シュラッター病の症状は、主に成長期のお子さまに見られ、膝の下部(脛骨粗面)に現れることが多いです。もっとも典型的な症状は、運動時に膝の前面に痛みが生じることです。特に、ジャンプ・ランニング・しゃがむといった膝への負担が大きい動作で痛みが強くなる傾向があります。
初期の段階では、運動後に軽い痛みを感じる程度のことが多いですが、進行すると日常生活の中でも痛みを感じるようになり、軽い運動でも痛みが出ることがあります。
また、脛骨粗面の腫れや隆起が見られる場合が多く、この部分に触れると痛みを感じる「圧痛」が現れることもあります。通常は片側の膝に症状が出やすいですが、運動量が多い方や成長の影響により、両膝に症状が現れるケースもございます。
さらに、膝を完全に曲げたり伸ばしたりする動作で痛みを伴うことがあり、進行すると長時間の立ち姿勢や、膝をつく姿勢でも違和感や痛みを感じるようになる場合もあります。これらの症状は、成長期に特有のもので、徐々に強くなる傾向があります。
その他の原因は?
オスグッド病の主な原因は、成長期における骨や筋肉、腱の発達の不均衡によるものですが、それに加えて以下のようなさまざまな要因が関与していると考えられています。
1. 運動の頻度や強度の増加
サッカー・バスケットボール・陸上競技など、ジャンプやランニングを多く含むスポーツを過剰に行うことで、膝への負担が大きくなります。この繰り返される負荷が、脛骨粗面に対してストレスを与えやすい状態をつくります。
2. 筋肉の柔軟性不足
特に大腿四頭筋やハムストリングスといった太ももの筋肉に柔軟性が不足していると、膝関節にかかるストレスが大きくなり、オスグッド病の発症につながる可能性があります。
3. 成長スパートの影響
成長期には骨の成長が急激に進む一方で、筋肉や腱の伸びが追いつかないことがあります。その結果、筋肉や腱が硬くなり、脛骨粗面に強い引っ張りの力が加わりやすくなります。
4. 過度の練習や休息不足
十分な休息を取らずに運動を続けてしまうと、膝周辺の組織が回復する時間が確保できず、負荷が蓄積することで症状が進行する可能性があります。
5. 姿勢や骨格の問題
偏平足、O脚、X脚など、体の歪みがある場合、膝関節や筋肉に対して余計な負担がかかりやすく、症状を引き起こす一因となることがあります。
オスグッドを放置するとどうなる?
オスグッド病は、成長期の終了とともに症状が自然に軽減が期待できることもありますが、放置したままにしておくことで、以下のようなリスクや後遺症が生じる可能性があります。
1. 慢性的な痛みの持続
運動時や膝をつく動作で痛みが長期間続くことがあります。特に成長期を過ぎた後も適切なケアが行われなかった場合、日常生活に支障をきたすことも考えられます。
2. 脛骨粗面の永久的な隆起
症状が強く現れた場合、膝下にある脛骨粗面が目立つ形で隆起し、そのまま残ってしまうことがあります。機能に大きな影響はないケースもありますが、見た目の違和感を伴うことがあります。
3. スポーツパフォーマンスの低下
痛みをかばう動作を繰り返すことで、膝や脚全体のバランスが崩れ、他の部位(腰や足首など)に余分な負担がかかってしまう可能性があります。その結果、運動能力が低下することもあります。
4. 関連する二次的な障害のリスク増加
オスグッド病を放置して無理に運動を続けてしまうと、膝関節や周囲の腱・靭帯に負担がかかり、膝蓋腱炎や膝関節の不安定性といった二次的な障害を引き起こすリスクもあります。
5. 成長期終了後の後遺症
まれに、脛骨粗面の一部が分離してしまう「剥離骨折」の状態が残ることがあります。このようなケースでは、成長が止まった後も強い痛みが出ることがあり、外科的な処置が検討されることもあります。
当院の施術方法について
オスグッド・シュラッター病には、いくつかの対処方法があります。
中でも「もう治らないのでは…」と感じている方が多くいらっしゃいますが、必ずしもそうとは限りません。
大人になってからの症状で、骨が変形してしまった場合には完全に元に戻すことは難しいケースもありますが、成長期の段階であれば症状の軽減が期待できる対処法はございます。
とくに、痛みの大きな要因の一つとして「大腿四頭筋の硬さ」が挙げられます。この筋肉の柔軟性を高めることで、膝への負担が軽減され、痛みの緩和が期待できます。
そのため、当院での施術はもちろん大切ですが、ご自宅でのセルフケアも非常に重要です。
日頃からストレッチなどを取り入れ、身体を柔らかく保つ習慣を身につけていただくことで、施術と併せてより良い結果につながる可能性が高まります。
改善していく上でのポイント
オスグッド・シュラッター病の施術においては、「すぐに痛みがなくなる」というよりも、少しずつ症状が軽減されていくことが一般的です。そのため、何よりも継続的に取り組むことが大切になります。
今後も含めて、自宅でどのようなストレッチを習慣として取り入れていくか、またストレッチをどのくらいの時間行い、どのようにオスグッドに関係する筋肉を効果的に伸ばしていくかが、施術の効果を高める上で非常に重要です。
症状が比較的軽度な方の場合は、一度の施術やテーピングなどによって痛みの軽減が期待できることもあります。
しかし、長期間放置して症状が悪化している方に関しては、そのように短期間での変化は見込みにくいため、早期に施術を受けていただくことが非常に重要です。
日常生活の中で痛みを感じた段階で、早めにご相談いただくことで悪化を防ぎ、スムーズな軽減へとつながります。